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Japan Tour 2013

6.サマー・ソニック2003回想
  "まだサマー・ソニックに行くか迷っているファンの方に"
 
  燦々と降り注ぐ8月の日差し。午後2時半過ぎ、オープニング曲の"Hello There"の力強いギター・リフが幕張の広い空に響いた瞬間のことを、未だ鮮明に覚えている。2003年の8月。初出演となった音楽フェス・サマー・ソニックで、 Cheap Trickはいつもと変わらぬ全力のプレイで魅了してくれた。

  ライヴの詳細はこちらのリポートや、「From Tokyo To You」のボーナス映像"Summer Sonic Experience"を参照して頂きたい。改めて振り返るとこのサマソニでのライヴは、過去のCheap Trickのライヴ観戦歴の中でも特に鮮烈な一本だった。私にとってこれが初のサマソニ参戦。初の音楽フェスティバル参戦。ジャンルの違う他の大物アー ティストに囲まれ、Cheap Trickがどう存在感を発揮するのか興味は尽きなかったのだが、感想をひとことでいうと「Cheap Trickはやはり凄かった!」

  Cheap Trickの前の出演バンドはThe High-Lows。High-Lowsのファンが退場すると、満員だったアリーナ密度は6〜7割に(From Tokyo To Youで確認できる)。かなりスペースができ、後方にはごろんと横になって休んでいる若者の姿も。体力温存のため、スカパラはスタンド席から観戦した私も、Cheap Trickスタート前にアリーナに降り、トム側Rブロックのやや後ろあたりにポジションをとった。会場にはかなりリラックスした雰囲気が漂っているように感じた。若い人も多かったけれども、Cheap Trickの次のNew Found Gloryの出番待ち、もしくは勝手な印象かもしれないが「おじさんバンドが何を見せてくれるのかお手並み拝見」とそんな感じだったかもしれない。

  Cheap Trickはきっとやってくれるはずだ。CTを知らない人にもガツンとインパクトを与えてくれるはず…そんな私の期待に応えるようにオープニングからいきなりCheap Trickはハイ・テンションで突っ走った。

  まず驚いたのが、その出音の凄さだ。このだだっ広い野外球場で、数千人規模のホールでのそれと全く音のクオリティが変わらない!そして音がでかい!各楽器の分離がしっかりしつつ、適度にノイジーなあのCheap Trickならではのサウンドが見事に表現されている。当時の最新作「Special One」の曲をフィーチュアしつつ、代表曲を並べたセット・リストはスピード感があり血気盛んな若者に充分アピールする破壊力を持っていた。ロビンのヴォーカルも、リックのギター、MCでの煽りも普段より明らかにテンションが高い。"Clock Strikes Ten"や"Best Friend"での轟音は、背筋がぞくぞくするほどの緊張感を生んでいた。ロビンの強烈なシャウトにスゲェ…何だあれとため息をもらす若い子も。

  ラストを「Special One」のアンセムといってよい、スピード感のある"Scent Of A Woman"で締めたのも良かった。新曲ながら速効性のあるこの曲のは、45分と短めのセットを締めるのに適したキャッチーなメロディとリフを持ち、広がりのあるサウンドが空高くどこまでも伸びていく感覚を味わえた。

  10年ぶりのサマー・ソニック登場で、Cheap Trickはどんな円熟した音を聴かせてくれるのか。どんなインパクトを与えてくれるのか。今回は、前回と違いスタジアムでなく、メッセの屋内会場という違いはあるけれど、きっと衰え知らずのパフォーマンスで、記憶に残る1日を演出してくれるはずだ。
 
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